HOME > 現役生日本史合格術 > 塾や予備校でかえって学習効率を悪くしてしまう日本史学習

どのような学習法か

タイトルどおりであるが、塾や予備校で日本史の講座を受講してその復習を学習の中心に据える学習である。この場合、日本史の講座を提供している塾や予備校にはいくつかに分類できる。

  1. 英・数・国・理・社を通年でかつ生授業で行っている塾・予備校
  2. 英・国・数などの主要教科のみを通年でかつ生授業で行っているが、夏期や冬期の講習だけは選択科目を生授業で提供する塾・予備校場合
  3. 英・数・国・理・社を通年、生授業で行う一方、一部塾・予備校が行う衛星及びインターネットを使った授業配信を契約して、受験生に提供している塾・予備校
  4. 英・国・数などの主要教科のみを通年でかつ生授業で行っているが、夏期や冬期の講習は一部塾・予備校が行う衛星及びインターネットを使った授業配信を契約して、受験生に提供している塾・予備校
  5. 全ての科目を一部塾・予備校が行う衛星及びインターネットを使った授業配信を契約して、受験生に提供している塾・予備校

どのような受験生層がこの学習を行っているか

独学では日本史学習が難しいと考えている受験生。日本史が苦手で成績が上がらない受験生。5科目で申し込むと日本史などの選択科目の講座が安くなるので申し込んだ受験生。

実際にこの学習法で効果を上げることができる受験生層

予備校や塾がうたっている日本史の教育内容ではなく、その講座を担当する日本史講師が提供する教育サービスの内容や指導法を事前に把握し、そうした指導が通年において責任をもってなされているかをインターネットなどで確認できる受験生をもつ保護者や受験生。指導力の高い講師の講座を偶然に受講した受験生。

ここに気づけ!

何を覚えるか。それを手っ取り早く教えてくれるのが予備校である。しかし、教授内容次第では教科書と問題集を使って自分で学習した方が効率がいい場合がある。まず、その塾や予備校で提供される教材(テキスト・ノート・プリント)を机に置き、その教材は何のために存在しているのかを見極める必要がある。それらを用いて(応用しても)も入試問題が解けず、結局それをメインに学習しないノートやプリントが目の前にあったとすれば、それらを作成していた時間は学力を向上させることに全く寄与しない時間であったと言える。

乱暴な言い方をすれば、お金と時間をかけて、指定された場所に穴を掘って埋めただけのことである。授業や教材は、その時間中に塾や予備校が受験生の親からお金を取るために子供を教室に置いておくための言い訳として存在していただけなのである。決して学習の機会が与えられたのではない。その塾や予備校でその時間中受験生を預かってもらっていただけなのだ。

例えば板書をノートに書き写し、そのノートを完成させることで講義が完結する講座があったとする。授業時間の多くは板書をノートに書き写し、その後講義を聴く。授業を受けている受験生は大変充実した時間を過ごしているかのように見える。しかし、検証してほしい。その板書をプリントにして多くの時間を入試情報を含めた講義とした場合、果たして学習効果が高いのはどちらなのかを。

それでもこの学習法で学力を上げたいならこうやれ!

大学受験指導においてどれだけの語句量を教えるかを予備校講師が競う「量」の時代はもう終わっている。昨今は入試に必要な用語を多くの受験生にいかに短期間で理解させ覚えさせるかという「方法論」が競われている時代なのである。一方、対面授業を軸にすえ広い地域で塾などを展開しようとする場合、均質で安価な労働力が多く必要とされるわけであるから、特定の講師がどれだけユニークな指導力(優れた方法論)を持っているのかなどという、受験生や父兄にとって最も知りたい情報はできるだけ表に出ない方がいいのである。

したがって最初に指導を受ける講師の善し悪しは運次第となる。しかし、予備校や塾のなかには講師を変更できるシステムをもっているところもある。親が子供の学習状況をきちんと把握し、必要なら講師の変更を要求すればよいだろう。また、今はインターネットであらゆることを調べることができる時代である。私も含めて受験に必要な情報を発信し続けている方も多い。そうした情報が全て正しいとは言わないが、最初の講師選びの参考にはなるはずである。

話は変るがそれるが昨今の教育産業の有様は、時代に逆行するかのように受験生側の選択の余地がなくなる傾向にある。そしてこのことが決して受験生やその父兄のためのではないことに我々は薄々気がついている。私はこのサイトを通じて受験生が正しい選択ができるように有用な情報を伝えていくつもりである。


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