コンプリート日本史@Aについては時代別の文化史の講義は毎年必ずおこなっています。私の授業スケジュールの中では文化史を講義する時間を十分にとっていますので、受験に対応した時代別の文化史講義をおこなうことができるのです。
「授業で文化史をやる」と一言にいっても、いろいろなやり方があると思います。文化史のまとまったプリントを配るだけとか、文化史が書かれているテキストの箇所を少し触れるだけでも「文化史をやった」ということになってしまいます。しかし、それでは受験に対応した文化史の基礎がレギュラー授業で身につくのでしょうか。文化史の出題比率が高い大学や学部も多くあります。それに、予備校の講座紹介ではレギュラー授業の日本史には必ず文化史講義も講義範囲に入っているのです。
そもそも大手予備校の通年のレギュラー講座では文化史を含めた授業を行うとパンフレットなどに明記されているものです。にもかかわらず、授業で文化史を扱わない、もしくはほとんどやらないというのは予備校と保護者との間で交わされた契約に違反しています。パンフレットに明記している以上、その内容を信じて契約した消費者に対し、文化史を含めた授業を行う義務が予備校にはあり、またそうした授業が講師によって行われないように監督する責任があります。「おれは文化史は夏期講習でやるから通年の授業では文化史はやらない」などという言い訳は全く通用しないわけです。
もう予備校にご子息を通わせている保護者の方は、まず通年の日本史の講座に文化史が入っているかどうかを確認して下さい。もし、入っているのにもかかわらず、それが行われていない、もしくは行う予定がない授業を受けさせられているのであれば、すぐに予備校の本社へ連絡してその講座において文化史の授業を行うように主張してください。ここはご子息の合否に関わる重要な問題ですので決して無関心であったはいけないところです。
私が以前に所属していた予備校ではそうした「自分勝手な」授業が行われないよう講師管理が徹底されていました。通年の授業で文化史を行わなかった講師には講習講座で文化史の講座を持たせないといったこともやっていました。通年の授業で文化史をやることができない程度の指導力と授業計画性ではたった5日間しかない講習で文化史の全範囲を終わらせることなどできないと判断したからでしょう。この予備校は現在保護者や学校との信頼を築き多くの現役生を獲得しています。
私は現在その予備校には出講していませんが、どの予備校にいても受験生の受験リスクを最小限にするのが予備校講師の仕事だと考えていますので、時代別の文化史をレギュラー授業でとばすなどといった受験リスクを大きくするようなことは絶対にしません。ですので、文化史だけではなく、史料や正誤の対策も授業の中できちんとおこなっています。 |