詳説日本史講義の受講者へ。9月からの学習を間違えるな! 

詳説日本史講義の2学期が始まりもう半分が経過した。
9月から入塾した生徒も受講生に加わり、また大学入試という現実がより近くなってきたこともあり、教室に以前とは少し違った緊張感があったかと思う。また、夏期を有効に使い、サクナビクスの反復を重ねてきた受講生には一種のたくましさも備わっている。本当に頼もしい限りである。

しかし、9月以降(つまり2学期)のサクナビクスの学習には注意が必要だ。
1学期までの既習範囲において、その学習が不十分であっても、夏期の40日以上にもおよぶ時期に挽回することができたが、2学期の学習が遅れるとその挽回時期はきわめて限られた期間しかない。冬期の期間はあるが、夏期と比べて明らかに短く、また年明けにはセンター試験が控えており受験生に余裕がなくなってくるのだ。

余裕がない状況は受験日本史という暗記科目を学習するにあたって最も最悪な事態である。それは暗記は「焦る」と学習効率が悪くなるからである。通常の状態でそうなのであるから、それに加えて学習の遅れを取り戻そうとさらに焦ればどうなるかは聡明な受験生なら容易に推察できるであろう。

自分の学力を過信して、計画性もなく場当たり的にサクナビクスをやってはいけない。また、サクナビクスの効率性に依存して、冬があるかと基本的な復習を怠り、語句やテーマの関連性を無視した創意工夫のない学習に終始してはいけない。このやり方ではかならず時代の好き嫌いによりサクナビクス学習の時代が偏るだけではなく、いつのまにかその都度行なわなければいけないはずの史料学習や図版を確認しなが行なわなければならない文化史の学習がおろそかになる危険性があるのだ。

合格者の流儀によれば、この時期の受験生はそうしたことを見越して(彼らもそれ以前の合格者の流儀を熟読しているのであるが)いる。そして2学期の学習を以下のように行ない問題を克服しているのである。

① 2学期の内容は月曜日から金曜日の平日とその隙間時間を使ってサクナビクスを音声教材を利用して、「うすら覚え」でも構わずに、反復を多くすることで、その期間内にある程度語句や時代をイメージで捕らえようとしている。

 授業を録音している受験生が多く、理屈や理解を必要とする箇所を思い出せないときにはすぐに録音を聞き直している。

③ 音声教材ではなかなか覚えられない箇所は、音声教材にこだわることなく、何度も書いて覚えるなどの学習を行なっている。また、他人のやりかた(一問一答)などに気を散らすことなく、自信をもってサクナビクスの学習に専念している。

④ 問題集や反復学習を通じて自分が理解できたことや、重要なことだと思ったところは土屋先生の指示がなくてもサクナビクスに書き込んでいる。

 土日は1学期の内容を忘れないような反復学習と、問題演習、過去問に当てればよい。


これらは、サクナビクスの学習が他教科も含めた学習サイクルに組み込まれ、習慣的に行われてる受験生であれば問題なくできる。つまり今サクナビクスを学習している受験生ならば今日からでもできる。まだ始めていない受験生は是非とも実行してほしい。

 

◎「サクナビクス」とは日本史講師土屋文明が入試情報を時系列、出題傾向別などにまとめた俯瞰型情報整理マップの総称である。時代別のサクナビクスは、現在、学校法人代々木ゼミナールで行なわれる詳説日本史講義①②のテキストとは別に補助教材として配布されていおり、詳説日本史講義の受講生がすぐに学習ができるように配慮されている。なお、詳説日本史講義は単科講座(その講座だけでも単独で受講できる講座)として設置されており、他塾、多予備校の受験生も本講座を受講するために学校法人代々木ゼミナールや代ゼミと提携しているサテライン予備校に来校している。

日本史講師 土屋文明