センター試験で正誤問題で失点した受験生の日本史正誤対策 ②

前回の記事の続きです。

正誤問題が解けない(正答率が低い)受験生は、正誤問題に対するアプローチを間違えています。
正誤問題を解答するには、目の前にある正誤文と頭の中にある知識を「照合」し、「整合性を確認する」という作業が行なわれなければいけません。

「照合」するとは、その名の通り「照らし合わせる」作業のことで、正誤文の判定をする情報を頭の中から探し出し、比較できる状態にするということです。なお、知識の定着が十分でない時に、この作業をやってはいけません。曖昧な知識では比較できる情報を探し出せず、勘で解いてしまうことになります。また、この照合作業を厳格に行なわないと、正誤文だけを見て、日本語の文章表現やニュアンスで正誤の判定を行なおうとします。これは正誤問題を「解答」していませんよね。受験生の中には、模試等で正誤問題文を何度も読み返した経験をお持ちの方は多いと思います。しかし、これこそが日本語の文章表現やニュアンスで正誤の判定をしている行為だったのです。正誤問題を解答するにはほど遠い行為ですね。

前回、私は入試直前まで今まで使ってきた教科書、ノート、プリントを机の横に置いて、正誤文とつきあわせて下さいと書きました。これは、曖昧な知識を排除し、正確な情報を検索して比較可能な状態にすることは正誤問題を解答する大前提なのです。

そして、この作業中に最も重要なことを行なわなければなりません。

それは、正誤文にどうしても照合できない情報が含まれていた場合、その正誤文を「判別不能」として、保留にすることです。 実は、受験生はこの判別不能文の判定でとても不安になります。しかし、正誤の判定を行なう知識は教科書程度(実際にはそれ未満でも十分判定は可能です)でいいわけですから、「この文章は自分の知識がないから正誤の判定できないのではないか」と、不安になる必要はないわけです。曖昧な知識での照合作業はこの不安を増長させますが、それは上述の方法で排除されているのですから心配はいりません。

次に、「整合性を確認する」という作業を行なうわけですが、これにもちょっとしたコツがあります。それは、頭の中にある知識(厳格に覚えた正しい知識)を主体として整合性を確認するということです。「ふざけるな。当たり前じゃないか」とお叱りをうけるかもしれませんが、多くの受験生はこれができていないのです。

なぜできないのか。

それは、厳格に覚えたはずの知識を拡張させて正誤文に近づけようとしてしまうからです。

どうしてそのようなことがおきるのか。
それは次回の記事でご説明します。

 

なお、私はこうした受験生の正誤の正答率をもっとも効果的に上げる指導法をすでに完成させています。

その指導は、学校法人代々木ゼミナールの『土屋文明の日本史 正誤問題の克服』という講座で行っています。この講座は受講した受験生の満足度が高く、正誤問題の正答率も確実に上がります。

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                                      日本史講師 土屋文明